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荻窪駅南口すぐのところに、岩森書店という古本屋があります。
昨日、荻窪駅前で知人と待ち合わせをしていて、少し時間があったので、近くにあった岩森書店に入ったのです。本を選んでいるうちに、いくつか気になる美術書が見つかりましたが、ビニール袋に入っていて中を見ることができません。そこで、レジにいた30歳くらいの坊主頭の店員(店主?)に、4冊ほど中を確認させてほしいとお願いしました。
店員は嫌そうでしたが、1冊ずつ袋を開け始めました。たしかに手間ですので、嫌がられるのは仕方ないと思っています。
袋から出した本を僕に手渡しながら、その坊主頭の店員がぼそっと言いました。
「‥ケンカ売ってるのかよ」
??
「4冊も袋開けさせてケンカ売ってるのかって聞いてるんだよ」
そんなつもりはない。
「やるのか?オイ、やるのか?やるのかコラ」
何をやるの?
「ケンカ!殴るぞ!」ーと叫び拳を突き出す。
僕はケンカはしないですよ。
「そうだよな、そんな度、胸お前にはないだろうな」
僕はすごく不愉快でしたが、ここで言い争って待ち合わせに遅れるのもあほらしいし、本当に殴ってきそうな雰囲気があり怖かったので、だまって本の中身をパラパラと確認しました。
本の内容は、表紙から期待していた以上に魅力的なものでしたが、こんなお店でお金を使いたくはありません。しかし僕は考えました。
ここで僕が本を買わずに店を出たら、このアホ店員はますますひねくれて手がつけられなくなってしまうだろう。犯罪者になってしまうかも知れない。
僕はこの店員の悪意に対して、善意で答えるんだ。自らの行動で、彼に人間の生きる道を教えてあげよう。
僕は数千円の本を一冊選び、「じゃあコレ買います」
と笑顔で言いました。
店員は少し驚いたようすでしたが、謝罪の言葉も、お礼の言葉もないまま、お金を受け取ると、本を紙袋に入れて無言で渡してきました。
ああいう古本屋というのは、そんなに儲けは出ないでしょうし、よほど本が好きな人(草食動物系)がやるものだと思っていましたから、あんな武闘派店員がいたことは驚きです。
もはや怒りは無く、なぜ彼のような男が古本屋という仕事を選んだのか、それだけがとても気になっています。
荻窪にお住まいの方、遊びに行かれた方は、南口徒歩1分の岩森書店の武闘派店員をいちどご覧になってみてはいかがでしょうか。